*77 −20℃の朝

更別のどこか(X-T20, 18mm, ISO/200, f/5.6, 1/1500)

今朝はこの冬いちばんの冷え込みだったらしい。

日曜日、寒くて快晴。

久しぶりに遠くまで車を走らせてみようと思った。

海まで。

朝、八時半。

海まで行って、写真を撮って、散歩して、午前中には帰ってこられるだろう。

ところが、

途中、十勝の内陸部を抜けていくと、

そこはまさに(宝石を覆したような)朝だった。

途中、何度も停まって写真を撮った。

大津の浜辺でも撮った。

朝の時間はあっというまに過ぎ去った。

帰ってきて、コンピュータの画面に映し出してみても、

満足のいく写真は一枚もなかった。

わかった。

今朝はどこかを切り取れるような朝ではなかったのだ。

大量に降りそそぐ太陽の光に包まれていた。

ただまばゆいだけの朝だった。

どんな曲をかけても、この光には負けた。

ただモーツァルトだけが負けずに輝いていた。

弦楽五重奏曲ニ長調

こんな光の朝に短調は似合わない。