*94 わたしたちは考える。

ご無沙汰をしておりました。

最後に投稿したのが、一月の二十七日(*93 忘れえぬ人々)ですから、九ヶ月も経っている勘定になります。

べつに改まって復活(復帰?)宣言のようなものは出しません。

いろいろなことが重なって、即興的な文章が書きにくくなってしまったのです。

このブログをフォローしてくれている読者の方が、ここ帯広にも、東京にも、はたまた全国のどこかにもいらっしゃるようなので、一生懸命(?)毎朝写真を撮って、できるだけ印象的なのを選び、タイトルを考え、文を添える、そういうことだけはまめに続けていきたいとは思っています。

だんだん写真がおもしろくなってきました。と同時に、それに添える文を書くときの呼吸なども、よそゆき(?)の文章を書くときとは別の感触——脱力しながら集中するような——を楽しめたらいいかな、と思うようになりました。

今日、久しぶりに投稿するのは、みなさんにお見せしたい文章があるからです。説明はあとにしますので、まずはお読みください。

 


「私達は考える、家庭生活」という本に、「身のまわりのしまつ」というお話がでていました。
それは勝彦くんという男の子が、学校から帰って来て、「かばんとぼうし」をポーンと投げて、でていこうとして、おかあさんにおこられてしまうというお話です。ぼくも、そういうことがよくあるのでどうもちようしがわるいなあと思いました。勝彦くんは、じぶんべやがなくて、「だからそんなにきちんとする気にならない。」のです。ずっと前ぼくの、家につくえがありませんでした。その時ぼくは、みかんばこ二つと、いたをよういして、みかんばこも、いたも白い紙をはつて白くして、はこと、はこのあいだに、いたをわたして、それででき上がりにしました。勝彦くんも、やつてみたらどうかなあ、と思いました。
ほんばこも、同じように、みかんばこ二つで、横につめばできます。「身のまわりのしまつ」の中に、「おとうさんは、つくえをかつてくれない勝彦くんのように、『じぶんのへやがないから、ちらかすのがあたりまえだ。』こういつてしまったのでは、ダダっ子みたいじゃありませんか。つくえがなかったら、なんとかくふうはできないものでしようか。
二つのリンゴばこをならべてその上に、ちょっと板を、わたしただけでもいいじゃないですか。そのはこに、おみせのつつみ紙を、はつてみればなお、たのしいものになりましょう。」と、こういうことが書いてあったので、ぼくはほんとうにそうだと、なんべんも思いました。それから、「いたの上には、ありあわせのキレをかけるのです。」ということが書いてあります。ぼくは「ありあわせ」ということがわからないので、おかあさんにきいたら、「あまつたきれで、つかえるきれのことですよ」といったので、このことはぼくは気がつかなかったので、今はぼくのつくえがあるけれど、だれかぼくたちの組の、つくえのない人は、やってみたらいいと思いました。
ぼくたちの組でも、つくえのない人が多いことでしょう。そういうばあいは、みかんばこ二つと板をよういして、みかんばこも、いたも、白い紙でしろくして、はこにかぶせればもうできあがりです。ない人はやってみたらどうでしょう。
この本には、まだまだ「ぼくはテレビのけらいではない」とか、そのほかいっぱいお話がでていましたけど、ぼくがいちばんためになったのは、「身のまわりのしまつ」がためになりました。
これからも、こういうためになる本を読んで、頭をよくしたいと思います。

 

 

この文章は、昭和三十七年の十月二十一日(日曜日)付の『十勝毎日新聞』——あるいは『北海道新聞』。切り抜きだけだと今のところ特定できない——に掲載されたものである。コラムの右肩には「第二回北海道青少年読書感想文コンクール十勝地方審査入選作から(上)」 とゴシック体の活字で記されていて、中央には明朝体の大きめの活字で『「わたしたちは考える」を読んで』とタイトルが記されている。筆者は、わたくし本人、記事の末尾には(光南小学校三年)と付されている。ここに転載するにあたって、加筆訂正はいっさいしていない。

昨日は毎年暮れの大掃除を少し繰り上げ、ハウスクリーニングに来てもらって、台所まわりの掃除であるとか、床のワックスがけ、あるいは窓ガラス拭きなどをやってもらったのだが、部屋の片付けをしていた母親が偶然、こんな切り抜きを発見して、私のところに持ってきたのである。

一読して、あきれた。

今日のところはここまで。続きはまたあらためて。
(週末は新刊書——『言語の七番目の機能』、「履歴と書誌」のところを開くと追加してあります——のプロモーションのための上京します)。

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