*195 朽葉、敷きつめて。

広野のあたり(ISO/400, 18mm, f/5, 1/125, 22/11/20)

この畑いちめんに敷きつめられたカラマツの朽葉の色を、なんと呼べばいいのか。さっきからずっと色名関連の本のページを繰っているのだが、どうにもぴたりと符合する色名が出てこない。山吹色でもないし、鬱金でもないし、琥珀でもないし……。そして、はたと思い当たる。この色は太陽の光を浴びて輝いているのではなく——空は初冬の曇り空だから——朽ち果てる直前の葉が内部から光を放っているのだと。それにしても、この畑いちめんの朽葉はあきらかに、自然にカラマツの防風林から落ちて広がったものではない。この畑地の所有者が黄金の針のような落ち葉をかき集めて、薄い絨毯のように敷きつめたとしか見えない。なんのために? 肥料? 雪が降るまで、畑の表土を霜から守るため? それとも酔狂? 黄金色の枯山水の庭に見立てた? まさか。