さあて、今日は久しぶりに海まで足をのばすかと、いつもの更別から豊頃方面へと抜ける道を南下しはじめたら、右手——つまり西の方——に日高山脈がきれいにくっきりと稜線を浮かび上がらせていて、思わずため息が出た。気温が下がって空気が乾燥してくると、遠くの山が近くに見えてくる。冬の晴れた日らしい景色だ。そこで急遽行き先を変更して、中札内から八千代方面に抜ける道を西走することにした。それでこの一枚。一昨日、初雪が降ったものの、ほとんどが風に飛ばされたり溶けたりして、畑には雪の跡さえ見えない。手前の山も同様だが、奥の日高から大雪につながる山脈にはたっぷり雪が積もり、おまけに白く冷たそうな雪雲までかかっている。大津の海へ行ったって、どうせジュエリーアイス目当てのおっさんカメラマンが、何十万もするどでかい望遠レンズをつけたカメラを振り回している姿に出会うのがオチなのだ。冬の海も氷もきれいだけど、おっさんの群れは見たくないので——自分のことは棚に上げて——、山に来て正解。