このフィギュアはアルルの民芸品である。
もう六年前(2013年)のことになるが、アルルの翻訳学校に初めて招かれて、翻訳ワークショップのようなものに参加したとき、お別れに教え子からお土産にとプレゼントされたものである。
暮れに書斎の整理をしていたとき、デスク脇の棚にほとんど放置してあったも同然のこのフィギュアについ見入ってしまった。
アルルの民族衣装に身をつつんだこの女性像は高さ八センチほどしかないが、とても精緻に作り込まれている。今までなぜ気づかなかったのだろう。その罪滅ぼしのような気持ちを込めて、何枚か写真に収めた。そのうちの一枚。