
なんの花なのか、実なのか、よくわかりませんが、ようやく十勝も色づきはじめました。でも、まだまだです。ここは中札内美術村の敷地の中の「美術村庭園」。冬支度なのか、二、三人の作業者が庭園内の植物の手入れをしておりました。もうじき真っ赤っか、真っ黄っきの秋をお目にかけます。

久しぶりに「帯広の森」へ行ってみた。帯広に帰ってきてまもなく、一度だけ行った記憶がある。たぶん十年ほど前のことだ。帯広市民以外の人のために説明しておくと、市の西郊にあって、いくつものスポーツ施設が集まっている地域を指す。市民の植樹によって、四百ヘクタールを超す森が施設を取り囲んでいる。雨が降り続いて、ひんやりと湿った森のなかを歩いていると、せわしなくささくれだった神経が和らいでいくような気がする。見上げると朽ちかけたナナカマドの枝が目に入り、カメラを向けると、森の小径の向こうから自転車に乗った女の子が二人寄ってきた。「何をとってるの?」と不思議そうにきいてくるので、指先を頭上に向けて、「あの赤い実」と答えると、怪訝そうな顔をして去っていった。リスか野鳥でも撮っているのではないかと思ったのだろう。しばらく歩くと、「この森は昭和五十五年(1980年)の第六回市民植樹祭で植えられました」と記した案内板が立っていた。帯広の森は何年もかかって、段階的に大きく育てられた人工の森だということは聞いていたが、たまたま久しぶりに訪れた森の区画が四十年前に植樹されたところだということを知って、茫然と立ち尽くした。四十年前といえば、私は東京に住んでいて、勤めていた会社を辞め、アルジェリアに出稼ぎに行こうとしていた年だから。

これは一昨日の朝に撮ったもの。「無題」なんてタイトルをつけたのは、この植物の名前がわからないので。札内川近辺の公園には、これがたくさん植えられているのですが、一瞬、南天?とか思うのですが、南天はもっと赤いし、そもそも冬に身をつける木のはず。この写真の実は初夏からずっとこの色でなっていて、変色もしないし、落果もしない。名前を知っている人がいたら教えてください。
この写真をアップした翌日、さっそくある人から、「あれ、ナナカマドじゃないですか」と教えてもらいました。もちろん、ナナカマドは知っていたんですが、思い出せなかった。木が小ぶりだったのと、色が柿色というか、あまり赤くなかったので、違う種類かと……言い訳っぽいですが。タイトルはそのままにしておきます。文章全体を書き直さなくてはならないので(そこまでするほどの文章ではない?)

写真を見て、びっくりした人もいるかもしれません。こんな写真はめったに掲載しないからです。初めてかもしれません。海や近場の写真ばかりが続いたので、久しぶりに日高山脈の麓を攻めて(?)みました。八千代牧場から岩内仙境に足を伸ばして、ついでにピョータンの滝あたりまで行ってみようかと車を転がしていたら、だだっ広い畑のあいだを貫通する道路の脇に、「一本山展望台」と記された地味な標識が見えました。一本山なんて、このあたりでは馴染みのない地名なので、その標識の示す方向に車を走らせていくと、道は徐々に細くなり、舗装も途切れ、鬱蒼と木々が生茂る山道となり、さらに傾斜もきつくなっていった先に小さな駐車場——といっても、そういう看板が出ているだけで、山の中腹にできた空き地に過ぎない——で行き止まり。そこからは徒歩で細い山道を五分ほど登ると、携帯電話の無線タワーのような展望台がにょっきりと立っているではありませんか。高さは二、三十メートルくらいでしょうか。一番上まで昇ると、西側にカムイ岳、ペテガリ岳、カムイエクウチカウシ岳、そして十勝幌尻岳が、東側には中札内から更別にかけての広大な畑作地帯が広がり、北のほうには帯広市街が見えます。その写真も撮りましたが、広大な風景はこれまで何枚もここにアップしてきたので、あえて今回は奇妙に人工的な「展望タワー」の写真を揚げることにしました。まあ、中札内村が潤っているんでしょうね、こんな寂れたところに立派な展望台を作るくらいですから。

毎回、花の写真ばっかりだと、撮っている本人も飽きるので——そもそも飽きっぽい性分なのかもしれませんが——、またも懲りずに(?)海まで足を伸ばしてみました。これは必ずしも写真のためではなく、晴れていても曇っていても日曜日には海が恋しくなる習慣がついてしまったせいで、気乗りしないまま何枚か撮ると引き揚げてきました。帰路、どこの麦畑もほとんど刈り取られているのを見て、お盆前だというのにすっかり秋だなぁとか思いながら車を転がしていると、大きなローラーみたいな麦藁の束が目に入り、久しぶりに胸がときめきました。なぜかはわかりませんが……。